案件処理演習を、会場の紙ではなく、自宅や会社のパソコンで受ける形が見られるようになっています。いわゆるインバスケット形式の演習も、画面上で案件を読み、入力して答える形があります。

画面で受けると、紙では気にならなかったことでつまずくことがあります。この記事では、Web で受けるときに変わること、変わらないこと、そして事前に確かめておくことを説明します。受験の方法は、会社や試験の最新の案内を優先してください。

※この記事に出てくる人物と場面は、説明のために作った架空のものです。

Web受験で変わること・変わらないこと

変わらないこと 変わること
役職者として、判断と指示を書く 案件を画面で読み、切り替えながら進める
全件に先に目を通し、優先度を決める 全体を一度に見渡しにくい
誰に、何を、いつまでに、を書く 手書きより速く書ける人と、遅くなる人がいる
関連する案件をつなげる 案件どうしを見比べるのに手間がかかる
時間内に重要な案件を空欄にしない 保存や送信の操作、通信の不具合への備えが要る

評価の観点は、紙でも画面でも変わらないと考えられます(推測)。変わるのは、作業の段取りです。

画面の切り替えとメモの取り方

紙の試験なら、案件を机に並べて見比べられます。画面では、案件を1件ずつ開いて切り替えることが多くなります。

  • 最初に一覧を作る:案件番号、差出人の役割、件名の要点、期限、優先度を、手元の紙(使ってよい場合)か、画面のメモ欄に1行ずつ
  • 関連の印を付ける:同じ人、部署、取引先、期限が出てくる案件に、同じ記号を付ける
  • 決めることを一言で:1件ごとに「自分が決めること」を一言メモする

手元の紙やメモの使用が認められているかは、受験の案内で確かめます。認められていない場合は、画面上のメモ欄や、答えの欄の下書きをどう使うかを決めておきます。

入力の速さと文の短さ

パソコン入力は、手書きより速く書ける人が多い一方、つい長く書きすぎることがあります。長い答えが、高い評価につながるとは限りません。

  • 1文を短く:40字前後を目安に、1文に1つのこと
  • 箇条書きを使う:形式が許すなら、指示は箇条書きで
  • 定型のあいさつを毎回書かない:書くなら案件ごとに変える
  • 重要な案件ほど詳しく:重要でない案件は1行で済ませる

コピーや貼り付けが使えない設定もあると考えられます(推測)。同じ文を何度も使う前提で練習していると、本番で時間が足りなくなることがあります。練習のときから、貼り付けに頼らずに書きます。

入力が遅い人は、本番までに速さを上げるより、文を短くするほうが効果が出やすいと考えられます(推測)。

画面で書くときは、1件の答えの並びを決めておくと、毎回迷わずに入力できます。たとえば次の4行です。

  • 判断:どうするか、なぜか(1〜2文)
  • 指示:誰に、何を、いつまでに
  • 報告:いつ、どの方法で結果を受けるか
  • 一言:相手へのねぎらいや、関連する案件の番号

並びを固定しておくと、見直しのときにも、どの行が抜けているかがすぐに分かります。

時間切れを防ぐ保存と見直し

Web 受験では、操作のつまずきで答えが失われることが、一番避けたい事態です。

  • 保存の仕組みを確かめる:自動で保存されるのか、自分で保存する必要があるのか
  • 時間の終わり方を確かめる:時間が来たら自動で送信されるのか、送信の操作が要るのか
  • 重要な案件から先に、短くでも書く:時間切れで空欄が残っても、重要な案件の判断だけは入っているように
  • 残り5分で見直す:重要な案件の空欄、期限と担当の書き漏れ、案件番号の取り違え

全件を丁寧に書き切ることより、重要な案件に判断を残すことを優先します。時間配分の考え方は案件処理演習の進め方で説明しました。

受験前の環境の確認

前日までに、次の点を確かめておきます。

確かめること 内容
機器 指定されたパソコン、ブラウザ、画面の大きさ
通信 回線が安定しているか。途中で切れたときの連絡先
場所 時間中に話しかけられない場所か。電話や通知を止められるか
入力 使い慣れたキーボードか。日本語入力の変換に癖がないか
規則 メモ、資料、ほかのアプリの使用の可否
事前の確認 練習用の画面や、接続の確認の機会があるか

会社の端末で受ける場合は、更新の通知や、自動のロックの設定にも気をつけます。画面が途中で暗くなると、入力の流れが切れてしまうからです。設定を変える必要があるときは、自分で判断せず、社内の担当の案内に従います。

当日、画面のトラブルが起きたとき

自宅や職場で受ける形では、通信や機器の不具合が起きても、その場に試験の担当者がいないことがあります。慌てないために、起きたときの動きを先に決めておきます。

  1. 画面が止まったら、まず時刻を書き留める
  2. 案内にある連絡先(メールや電話)に、受験者の番号と起きたことを伝える
  3. 再開できたら、書きかけの答えが残っているかを確かめる
  4. 残っていなければ、重い案件の判断から書き直す

連絡先と受験者の番号は、受験を始める前に紙に書いて手元に置いておきます。画面が止まると、案内のメールも開けなくなることがあるからです。

自宅で受ける日の段取り

自宅で受ける場合は、試験の時間の前後も含めて段取りを決めておくと、始まってから慌てずに済みます。

時間 やること
前日 機器の更新を済ませ、充電と接続を確かめる。机の上を片付ける
開始30分前 ほかのアプリと通知を閉じる。家族に時間を伝え、声をかけないよう頼む
開始10分前 案内の画面を開き、受験者の番号と連絡先を手元の紙に書く
終了後 送信が終わったことを画面で確かめ、必要なら画面の写しを残す

会社の規則で画面の写しが認められていないこともあるので、残す前に案内を確かめます。

架空の例:画面の切り替えで迷った人

物流会社のセンターで係長をしているMさん(38歳)は、Web の練習問題で、半分の案件に手が付きませんでした。

振り返ると、時間の多くを、案件を開いては閉じ、前の案件を探し直すことに使っていました。一覧を作らずに、1件目から順に開いていたのです。

次の練習では、最初の10分で一覧を作り、関連する案件に同じ記号を付けました。探し直す時間が減り、重要な案件のすべてに判断を書けました。中身は同じでも、段取りを変えるだけで、書ける量が変わりました。Mさんはその後、一覧の列を「番号・差出人・決めること・印」の4つに減らし、作る時間を10分から7分に縮めました。

練習の仕方

  1. 本番と同じ方式で練習する:Web で受けるなら、画面で読み、キーボードで書く
  2. 時間を計る:最初の1〜2割で一覧を作り、残りで書く
  3. 貼り付けに頼らない:同じ文を毎回書かず、案件ごとに短く書く
  4. 書いた後に観点で見直す:判断の理由、期限、担当、関連づけ、再発防止

練習の答えは、書き終えたら印刷するか別の画面に写し、紙で読み返すのも一つの方法です。画面で書いているときには気づかなかった、長すぎる文や、期限の抜けが目に入りやすくなります。読み返して見つけた抜けは、次の回の答案の上に一言で書いておき、同じ抜けが続かないかを確かめます。

直前の1週間の進め方は、案件処理演習、残り1週間でやることにまとめました。

選択式で受けるとき

Web の演習には、案件ごとに用意された対応から選ぶ選択式もあります。選択式では、書く時間がない分、読む時間と選ぶ理由が大事になります。

  • 選ぶ前に、自分ならどうするかを一言で考える:選択肢に引っぱられにくくなる
  • 選択肢の違いを見る:誰に任せるか、いつまでにか、何を確かめるかの違いに注目する
  • 「すべて自分でやる」選択肢に注意する:管理職の対応としては、任せる・確かめる要素がある選択肢と比べる
  • 迷ったら、重大な影響を防ぐほうを選ぶ:安全、法令、顧客、情報に関わるものは重く見る

選択式でも、記述式と同じ観点で選ぶと、判断がぶれにくくなります。選択肢の比べ方は、選択式(マークシート)の案件処理演習で詳しく説明しています。

一人で確かめるときの限界

画面で読み、キーボードで書く練習は、紙の問題集だけではしにくい部分です。自分で時間を計って書くことはできても、短く書いた答えに判断の理由が残っているかは、自分では見落としやすいものです。

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