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論文のコツ
「職場の課題と解決策」「管理職として取り組みたいこと」などのテーマで、決められた字数を時間内に書く演習です。見られるのは文章のうまさより、課題のとらえ方、原因と対策のつながり、具体性、実現できるか、管理職の立場で書けているかです。AI は本文を書きません。
この演習で見られること
区分(民間・自治体・教員)によって観点の名前と数は少し違いますが、中身はおおむね次のとおりです。
- 問題意識:テーマに対して、何を課題と見たかがはっきりしているか。
- 論理性:課題 → 原因 → 対策 → 効果が、一本の線でつながっているか。
- 具体性:自分の職場の事実や数字があり、誰が・何を・いつまでにが書かれているか。
- 実現可能性:今の人手・予算・権限で実行できる対策か。障害への手当てがあるか。
- 管理職の視点:自分が頑張る話ではなく、部下や組織をどう動かすかの話になっているか。
- 表現:一文が短く、文体と用語がそろっているか。
構成と字数の配分
- 基本は4部構成です。①序論:結論(何が課題で、何をするか)を先に言う。②現状と課題:事実と数字で問題を示し、原因を掘り下げる。③解決策:具体的な施策を2〜3つ。④結論:効果と、管理職としての決意。
- 字数の目安は、序論1割、現状と課題3割、解決策4〜5割、結論1割です。
- 見出しを付けてよい形式なら付けます。採点する人が構成を追いやすくなります。
- 設問が(1)(2)や①②に分かれているときは、設問の順と言葉に合わせて書きます。設問の一部に答えていないのは、大きな減点です。
課題をつかむ(問題 → 原因)
- 問題は「あるべき姿と現状の差」です。数字で示せると強くなります(例:目標〇%に対して現状〇%)。
- 原因は表面で止めず、「なぜ」を2〜3回重ねて、仕組み・手順・役割分担の問題まで掘ります。人のせいにしません。
- 課題をいくつも並べず、いちばん大事なものに絞り、なぜそれを優先するかを書きます。
原因と対策をつなぐ
- 原因1つに対策を1つ対応させます。書き終えたら、原因と対策がずれていないか、線で結んで確かめます。
- 効果は、数字で表せるもの(定量)と職場の変化(定性)の両方を、いつまでにどうなるかで書きます。
- 段落の頭に、その段落で言いたいことを置きます。
具体的に書く
- 自分の職場の具体例を必ず入れます。どの職場にも当てはまる一般論は、評価されにくいです。
- 「意識改革」「一丸となって」「徹底する」などの言葉は、具体的な行動(誰が、何を、いつ、どの場で)に置きかえます。
- 施策には、実行する人、期限、規模を付けます。最初の3か月でやることを1つ書けると強くなります。
実現できる対策にする
- 今の人手・予算・権限で始められることから書きます。大きな投資や制度の変更は、誰の判断が要るかまで書きます。
- 実行の障害(反対、予算、人手)と、その乗り越え方を一言添えると、説得力が増します。
- 進み具合を何で確かめるか(指標、会議、報告の時期)を書きます。
管理職の立場で書く
- 「担当者として頑張る」ではなく、「部下をどう動かし、組織をどう変えるか」を書きます。
- 任せる仕事と、自分が判断する仕事を分けます。
- 心構えではなく、会議の持ち方、役割分担、手順、評価のしかたなど、仕組みを変える打ち手にします。
- 想定の役職(係長、課長、教頭、校長など)に合った範囲の提案にします。立場を超えた提案は、評価が下がります。
資料を読んで書く形式
- 資料型のテーマでは、資料の数字を少なくとも2〜3個、答えの中に引用します。
- 数字どうしを組み合わせると見えることを書きます(例:1人あたりの件数、5年前との比べ)。
- 自分の所管で手が届くことと、ほかの部署との協力が要ることを分けて、解決策を組み立てます。
- 資料にない数字を作りません。推測するときは、推測だとわかる書き方にします。
表現と文体をそろえる
- 一文を短くします(60字以内が目安)。一文に一つの内容です。
- 「だ・である」か「です・ます」のどちらかにそろえます。指定がなければ「だ・である」が一般的です。
- 用語(部下・メンバー・職員など)、主語、数字の書き方をそろえます。
- 手書きの試験では、読みやすい字で、訂正を少なくします。
時間の配分
- 構成メモに全体の15〜20%、執筆に70%、見直しに10%が目安です。構成を決めずに書き始めません。
- 当日に書く試験では、テーマを見てから最初の時間で、結論・課題・施策の骨組みを決めます。
- 字数が足りなくなりそうなら、解決策の具体(誰が・いつまでに)を足します。多すぎるなら、現状の説明を削ります。
考え方の手順(モデル)
- テーマと設問の言葉に線を引き、何を問われているかを一文で言う。
- 自分の職場の事実(数字、出来事、自分の役割)を書き出す。
- いちばん大事な課題を1つ決め、「なぜ」を重ねて原因を2〜3個に絞る。
- 原因ごとに施策を1つずつ決め、誰が・何を・いつまでにを付ける。
- 効果と、進み具合の確かめ方を決める。
- 見出しと要点だけの骨組みを作ってから書く。
- 書き終えたら、原因と施策の対応、文体、字数を見直す。
よくある減点
- 一般論で終わり、自分の職場の姿が見えない。
- 課題と解決策が対応していない。
- 立場に合わない提案をしている。
- 設問の一部に答えていない。
- 準備した論文を、テーマに合わないまま当てはめている。
- 決まり文句が多く、具体性が足りない。
- 文体がそろっていない。字数が大きく足りない、または多すぎる。
練習のしかた
- 骨組み(見出しと要点)だけを何本も作る練習が効きます。
- 書いたら、評価票で点の低い観点を1つ決めて書き直し、前の版との差を比べます。
- 見本の短い例は写さず、自分の職場の事実に置きかえて使います。
- 手書きの試験なら、時間を計って手で書き、字数を数える練習もしておきます。
このページについて
昇格・昇任試験の対策として一般に通用する考え方を、昇格パスがまとめたものです。会社や自治体によって、試験の形式や評価の観点は違います。当日の指示や様式がいちばん優先です。点数の付き方は評価の基準、評価票の形は見本で確かめられます。