上司から「今年、昇格試験を受けてもらうことになった」と言われた。人事から受験の案内が届いた。自分から望んだわけではなく、順番が来て受けることになった人も多いはずです。
当サイトでは、知恵袋の質問76件を読みました(2026年10月)。受験のきっかけとして、制度で順番が来たという投稿が18件、通知を受けたという投稿が15件ありました。件数は検索語の選び方に左右されますが、「急に決まって、何から始めればよいかわからない」という状況は珍しくないと考えられます(推測)。
この記事では、通知を受けた直後に確かめる5つのことと、最初の1週間でやることを説明します。
※この記事に出てくる人物と例は、説明のために作った架空のものです。
1. 試験の形式と日程
最初に確かめるのは、どんな試験が、いつあるかです。案内を読み、次の点を書き出します。
| 項目 | 確かめること |
|---|---|
| 試験の種類 | 面接、論文、筆記、案件処理演習、面談演習、グループ討議など |
| 日程 | 試験の日、書類の提出の期限、結果の時期 |
| 形 | 会場か、オンラインか。手書きか、パソコンか |
| 時間・字数 | 論文の時間と字数、面接の時間、演習の時間 |
昇格試験の形式は、会社や自治体によって大きく違います。面接だけの会社もあれば、いくつもの試験を1日か2日で受ける会社もあります。形式の型は、昇格試験の形式を知るにまとめました。
案内に書かれていないことは、人事の担当に聞いてかまいません。形式を聞くことは、準備のための自然な質問です。
2. 評価の観点が公開されているか
次に、何を見られるのかがわかる資料がないかを確かめます。
- 昇格の基準や、役職に求められる能力の一覧(人事の制度の資料など)
- 論文の評定の観点(公務員の選考では、要綱に書かれていることがある)
- 人事評価の項目(昇格の試験でも、似た観点が使われることがある)
観点がわかれば、準備の重心が決まります。たとえば「部下の育成」が観点に入っていれば、面接でも論文でも、育成の材料を用意しておく必要があります。
観点が公開されていない場合は、受ける役職に求められていることを、上司の仕事ぶりや、会社の方針の資料から推し量ります。
3. 提出書類と期限
試験の日より前に、書類を先に出す形の試験もあります。
- 自己申告書、昇格の推薦書
- 業務の成果と目標をまとめた書類
- 事前の課題やレポート
提出の期限は、試験の日よりずっと早いことがあります。通知を受けたら、まず書類の期限を手帳に書き込みます。事前課題の進め方は、昇格試験の事前課題(業務レポート)で説明しています。
上司の推薦や、上司の確認が要る書類もあります。その場合は、上司の都合も考えて、余裕を持って頼みます。
4. 使える時間の見積もり
試験の日までに、準備に使える時間を見積もります。
- カレンダーに試験の日と書類の期限を書き、今日からの週の数を出す
- 仕事と家庭の予定を引いて、平日の夜と休日に残る時間を書く
- 出張、繁忙期、家族の行事など、準備に使えない日を消していく
- 残った時間を合計し、試験の種類の数で割ってみる
当サイトで読んだ体験記48件のうち、準備の期間が書かれていたものは12件でした。人の準備期間は参考になりにくいので、自分の予定から見積もるほうが確かです。
時間が足りないと感じたら、試験の種類ごとに配分を決めます。配分の考え方は、試験日から逆算する昇格試験の準備計画で、6週間・3週間・1週間の場合に分けて説明しています。
5. 相談できる人と手段
最後に、誰に相談できるか、どんな手段で練習できるかを確かめます。
| 相談先・手段 | できること | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 上司 | 期待されていること、面接の練習 | 見せにくい内容もある |
| 前に受けた先輩 | 形式、当日の流れ | 問題そのものを聞き出すのは避ける |
| 人事の担当 | 形式、書類の書き方の決まり | 評価の中身は聞けないことが多い |
| 本・問題集 | 形式の理解、基本の考え方 | 自社の形式と違うことがある |
| 練習の場(研修、サービスなど) | 演習や面接の練習 | 費用と時間 |
社内の人に相談しにくい場合もあります。上司に見せたくない、同僚に受けることを知られたくない、という人は、社外の手段を組み合わせます。一人で準備する方法は、上司に練習を頼みにくいときの、昇格試験の準備の仕方にまとめました。
受けるかどうか迷っている場合
通知を受けても、受けるかどうか迷う人もいます。管理職になりたくない、今の仕事を続けたい、家庭との両立が心配、といった理由です。
受けるかどうかの扱いは、会社や自治体によって違います。辞退できる制度があるところもあれば、受けることが前提になっているところもあります。迷う場合は、まず制度の上でどうなっているかを、人事の案内や担当で確かめます。辞退した場合の影響の確かめ方と伝え方は、昇格試験を受けたくないときで順に整理しています。
受けると決めたら、気持ちが乗り切らなくても、準備の手順は変わりません。面接で昇格したい理由を尋ねられたときに、無理に熱意を作らずに答える方法は、「なぜ管理職(主任・係長)になりたいのか」に答えにくい人の準備が参考になります。
昇格すると給料や働き方がどう変わるかも、判断の材料になります。役職に付く手当や、残業代の扱いがどう変わるかは、社内の規程や人事の案内で確かめます。
最初の1週間でやること
5つを確かめたら、最初の1週間で次のことを済ませます。
- 5つの確認の結果を、紙1枚にまとめる
- 試験の種類ごとに、準備の配分を決める
- 提出書類の期限から逆算して、書き始める日を決める
- 自分の強みと弱みを、観点ごとに書き出す
- いちばん不安な試験を一つ選び、一度だけ試しにやってみる
5番目が大切です。形式を知るだけでは、何が足りないかは見えにくいものです。面接なら声に出して答えてみる、論文なら構成のメモを作ってみる、と一度試すと、準備の重心が決まります。
強みと弱みの書き出し方
4番目の「強みと弱み」は、思いつくまま書くより、観点の一覧に沿って書くほうが偏りません。観点が公開されていない場合は、次のような、多くの試験で重なる観点を仮に使います。
| 観点 | 自分の材料があるか | 弱いと感じる点 |
|---|---|---|
| 状況をつかむ | ||
| 期限内に決める | ||
| 人に任せ、動かす | ||
| 人を育てる | ||
| 相手の立場をくむ | ||
| 決まりと危険を外さない |
材料がある観点には、実際の出来事を1行書きます。材料が書けない観点が、準備の時間を多めに割く場所です。各試験の直前に、この表を見返すと、その試験で何を出せばよいかを思い出しやすくなります。
通知を受けた週に、上司と話しておくこと
上司から受験を伝えられた場合は、その週のうちに短い時間をもらい、次の3つを聞いておくと、準備の方向が定まります。
- 受ける役職で、上司が期待していること
- 推薦や申告書で、上司が書く部分と自分が書く部分
- 繁忙期と試験の準備が重なる場合の、仕事の調整の相談先
試験の中身を聞き出す場ではありません。期待と段取りを確かめる場だと考えると、上司も答えやすくなります。
架空の例:通知の翌週
場面:地方銀行の支店で働くMさん(37歳)は、上司から、2か月後に課長代理の昇格試験を受けるよう言われました。案内には「論文(90分)と面接」とありました。
Mさんは、最初の1週間で次のことをしました。
- 人事の案内を読み、論文の字数と、申告書の提出の期限(1か月後)を手帳に書いた
- 人事の制度の資料で、課長代理に求められる能力の一覧を見つけた
- 平日は夜に30分、休日に2時間を準備に使えると見積もった
- 論文の構成のメモを1本作ってみて、職場の数字が手元にないことに気づいた
最後の気づきで、Mさんは、最初の2週間を材料の数字を集めることに使うと決めました。
Mさんのように形式が分かったら、次は形式ごとに何をどの順で進めるかを決めます。その全体の流れは、昇進試験の対策で取り上げています。
一人で準備するときの限界
5つの確認は、一人でもできます。ただ、自分の弱みが評価する側からどう見えるかは、自分ではわかりにくいものです。強みと弱みの表に書いた見立てが合っているかは、実際に答えてみて確かめるのが早道です。
昇格パスの無料体験では、登録の後に、部下面談1場面、昇格面接3問、案件処理演習1案件を、文字でそれぞれ1回練習できます(論文は対象外です)。終わると評価票で、観点ごとの評価と、根拠になった自分の発言や記述を確かめられます。
個人で申し込んで使え、実名や勤務先の登録は要りません。会社に知らせることもありません(ログインにはメールアドレスか LINE を使います)。最初の1週間の「一度だけ試す」に使ってみてください。
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