練習を重ねても点数が動かないと、何も変わっていないように感じます。点数とは別に、回答に現れた行動の変化を残すと、続ける工夫と見直す工夫を選びやすくなります。
以下は編集部の記録案です。行動の変化から本番の合否を推定するものではありません。回答や点数の例は架空です。
総合点の前に、比べる箇所を決める
総合点には複数の観点が含まれるため、一つを直しても全体の数字が同じ場合があります。問題や条件が違えば、数字だけの比較では何が変わったか分かりません。
まず、前回に選んだ課題を一つ取り出します。「自分の役割を説明する」「任せた後の確認を入れる」など、発言や記述の有無を確かめられる形が使えます。
「管理職らしくなる」のような大きい目標なら、回答の中で何が見えればよいかまで分けます。観点の名前を記録するだけでは、次回の変化を確認できません。
根拠を並べる記録表
| 記録すること | 前回 | 今回 |
|---|---|---|
| 試した行動 | 何を意識したか | 同じか、変えたか |
| 実際の回答 | 短い抜き出し | 対応する短い抜き出し |
| 条件 | 問題、時間、メモの使用 | 違う条件があるか |
| 自分の確認 | 何が見えたか | 何が増えたか、抜けたか |
| 次の一手 | 直したいこと | 維持か、修正か |
回答の抜き出しは、自分が実際に書いたものにします。後から整えた文章を、当時の回答として記録しないようにします。書き直し版は別に残せます。
架空の例:任せた後が見えるようになった
案件処理の練習で、ある受験者は前回「担当者に対応を依頼する」と書いていました。今回は、担当者が確認する事項と、自分へ報告する時点を書きました。
総合点は同じでも、今回は確認の方法が記述に出ています。一方、期限はまだ曖昧でした。本人は「何も伸びていない」とせず、「確認方法は残す。次は期限を確かめる」と記録します。
ここで、点数が同じ理由を推測で断言する必要はありません。採点の内訳や根拠を見ても分からなければ、その点は未確認とします。自分の回答で確認できる変化と、点数の理由を分けます。
変化が出たことと、身についたことは別
メモを見ながら書けた行動が、別の問題でも出るとは限りません。最初は支えを使って確認し、その後に条件を変えて試します。
たとえば、前回の講評を見ながら答えたなら、その条件を残します。次にメモを閉じて答え、同じ観点が抜けないかを確かめます。初めから支えを全部外す必要はありませんが、支えがある状態を本番に近い実施と混同しないようにします。
同じ問題を何度も使った場合は、答えを覚えている可能性も記録します。変化が見えた後、別の場面でも同じ判断ができるかが次の問いになります。
点数が上がったときも確認する
数字が上がると、理由を確かめずに次へ進みたくなります。しかし、どの行動が変わったかを知らなければ、再現する材料が残りません。
高い評価の根拠に挙げられた箇所が、今回意識した行動と関係するかを見ます。関係しないなら、別の良い行動が出た可能性があります。その行動も記録できますが、当初の課題が解消したとはまだ言えません。
根拠が実際の回答と違う場合は、評価の内容を確認します。良い点数でも、対応しない講評をそのまま実績にしないことが大切です。
比較する条件を増やしすぎない
一度に問題、時間、メモの使い方、回答方針をすべて変えると、違いの理由が見えにくくなります。比較をしたい練習では、変える条件を絞ります。
一方、本番に近い通し練習には、全体を確かめる役割があります。小さな行動の比較と、通し練習を同じ目的で扱わず、記録の見方を変えます。通しでは、できていた行動が時間の後半にも出るかを見ることもできます。
比較の中に、悪くなった点も残す
理由を詳しく話すようにした結果、最初の回答が長くなることがあります。その場合、理由を増やした変化だけでなく、長さという新しい課題も記録します。
改善は一方向とは限りません。説明を足して伝わった点と、足したために焦点がぼやけた点を分け、次に量を調整します。良くなった箇所だけを残すと、回答全体を見直しにくくなります。
根拠の抜き出しを短くする
毎回、回答全文を比較表へ入れる必要はありません。対象の観点を確かめられる一文か短いまとまりを選びます。全文は別に参照できるようにし、前後を切ったために意味が変わっていないか確認します。
たとえば、任せる指示だけを抜き出すと、次の文にあった確認時期を見落とす場合があります。観点に必要な範囲を選び、抜き出しだけで不十分と決めないようにします。
維持する行動を次の目標へ入れる
新しい課題だけを意識すると、以前できた行動が消えることがあります。次の練習では、維持する一点と、新しく試す一点を分けてメモできます。
実施後は、両方が出たかを見ます。新しい点を入れようとして前の点が消えたなら、回答の量や順序を調整します。すべての観点を同時に一覧で追うより、今回見る対象を絞ります。
その記録が増えたら、一定の間隔で、同じ行動が違う場面でも出ているかを読み返します。一回の成功だけでなく、出た条件と出なかった条件を並べることで、次の練習を選ぶ材料が具体的になります。
記録を読み返す間隔
毎回すべての結果を読み直すと負担になります。普段は前回の課題だけを見て、いくつか記録がたまった時点で、同じ観点をまとめて確認する方法があります。間隔は自分の練習頻度に合わせます。
まとめて見る際は、点数の順に並べ替えるより、条件と行動を時系列で見ます。いつから何を変え、どの場面で出たかが分かるためです。
同じ課題が残っているなら、言葉を足す方法だけでなく、材料の選択や質問の理解にも戻ります。記録を増やすこと自体が目的にならないよう、読み返した後は次に確かめる一点を選びます。保存する内容には、社外へ出せない情報を含めないようにします。
今日残す一つの変化
前回と今回の回答から、同じ観点に当たる一文を選んでください。増えた情報に線を引き、それが実際の行動を伝える情報か、表現だけの変更かを見ます。
最後に「維持すること」と「次に確かめること」を一つずつ書きます。練習の記録を点数の一覧で終えず、次の回答をどう変えるかが分かる形にします。
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