事情を聞けたのに、最後は「では頑張って」で終わる。次に会ったとき、何を約束したのか曖昧になっている。面談の締め方を、励ましの言葉だけでなく、行動をそろえる時間として考えてみます。

「最後の2分」は、練習のための目安です。実際の面談時間や内容に合わせて調整してください。以下は当サイトの準備提案で、職場と会話の例は説明用に作った架空のものです。

終わりが近づいたら、話題を増やさず整理する

終了直前に新しい対策をいくつも出すと、本人が考える時間がなくなります。まず、今日分かった事情と、対応する対象を短く確かめます。話した内容を全部繰り返す必要はありません。

特に、上司が大事だと思ったことと、本人が困っていることが合っているかを見ます。ずれていた場合は、無理に予定どおりまとめず、どこを再確認するかを決めます。

面談中に話が広がっていたなら、今日動かすことを一つ選びます。問題をすべて解決した形にするより、実行できる範囲の約束にします。扱わなかった話は、未決のまま見える形で残します。

本人の行動と、上司の行動を分ける

本人への宿題だけを並べると、上司が支える部分が消えます。反対に、上司が全部引き取ると、本人が何をするか分からなくなります。両者の役割を書き分けます。

確認する欄 具体化する内容 曖昧なままの例
本人の行動 何を、どこまで進めるか 気をつける
上司の行動 調整、確認、支援の内容 何とかしておく
期限 いつまでに何をそろえるか なるべく早く
次の確認 いつ、何を見て振り返るか また様子を見る
途中の相談 どんなとき、誰へ知らせるか 困ったら適宜

すべての欄を長く書く必要はありません。仕事を始める人が迷いそうな部分を具体的にします。本人がすでに理解していることまで、一方的に細かく指示しないようにします。

架空の例:担当が集中している部下との面談

部署間の問い合わせが一人に集中している部下と話したとします。本人は、依頼を断ると周りに迷惑がかかると考えていました。上司は、依頼の流れを見直す必要があると分かりました。

この面談を「抱え込まないように」で終えると、部下がどう動くかは曖昧です。本人だけに断る役割を渡すことにもなります。終了前に、まず現在の依頼を整理することと、上司が依頼先へ調整することを分けます。

  • 本人:未完了の依頼と期限を一覧にする
  • 上司:一覧を見て、優先と分担を関係者と調整する
  • 次の確認:一覧がそろう予定に合わせて、一緒に確認する
  • 途中の相談:新しい依頼で期限が重なったら、引き受ける前に相談する

ここでは、実際の仕事に合わせて期限を決めます。例の順番をそのまま使うのではなく、本人が一覧を作る時間も含めて確かめます。新しい整理作業が負担を増やすなら、上司と一緒に作る方法も考えます。

確認日は、締切とは別に考える

作業の期限と、上司が状況を見る日は、同じとは限りません。長い仕事なら、終わる前に確認する機会が必要な場合があります。短い仕事なら、完了時の確認で足りる場合もあります。

確認の目的を決めずに面談だけ増やすと、本人の時間を使います。次回は何を見るのかを先に決めます。進み具合、困った場面、支援の必要性など、確認したいことを絞ります。

結果がまだ出ない時期には、成果の数字だけを求めないようにします。予定した行動を始められたか、途中で何が止まったかを見ることもできます。結果と実行状況を分けて扱います。

まだ決められないことにも、次の手を置く

異動や制度の変更など、上司だけでは約束できない話もあります。その場合は、結果を約束する代わりに、確認する行動を決めます。どこへ何を相談し、いつ本人へ状況を伝えるかを整理します。

「上に言っておく」だけでは、相談が進んでいるのか分かりません。返答が間に合わない場合も、分かっている範囲を伝える予定を置けます。返事がないまま、本人が待ち続ける形を避けるためです。

本人が行動に合意していない場合は、合意したことにしません。難しい条件や未確認の事項を残し、何を確かめれば決められるかを考えます。面談をきれいに終えることより、約束の中身を正確にすることを優先します。

終了直前の新しい話は、重要さを確かめる

帰り際に、今まで出ていなかった話が出ることがあります。時間だからと一律に切るのではなく、今日の対応が必要かを確かめます。必要なら、予定を調整することも考えます。

ただし、その場ですべての事情を聞けるとは限りません。まず扱う必要のある部分と、別の時間で確かめる部分を分けます。専門的な対応が必要な内容は、所属先の手順や窓口につなぐ前提です。

次回にする場合は、何の話を続けるかを共有します。単に「次に聞く」と言うより、相手が伝えかけた内容を受け取ったことが分かる形にします。話があった事実と、未確認の内容も混同せず記録します。

約束を増やしすぎない

面談で多くの事情が分かると、対策もたくさん決めたくなります。しかし、新しい行動を重ねるほど、本人と上司の時間が必要です。まず何を始めるかと、その後に考えることを分けます。

次の行動を一つに絞っても、ほかの問題を無視したことにはなりません。先に扱う理由と、残した話の扱いを共有します。優先を付けた内容が、本人の困りごとと離れていないかも確認します。

最後に、約束を実行するために止める仕事がないかを見ます。新しい作業だけを足すと、実行できない合意になることがあります。支援と分担の変更も含めて、現実の予定に置くことを考えます。

合意を読み返して違いが見つかったら、時間が迫っていてもその違いを残します。上司の記憶に合わせて、本人の了承を後から補わないようにします。

自分の締め方を、紙で確認する

直近の面談の最後の言葉を、覚えている範囲で書きます。「頑張る」「注意する」「様子を見る」があれば、その後の行動を思い出せるか確認します。思い出せないところは、次回具体化する候補です。

白紙に本人と上司の欄を作り、それぞれの行動を書きます。最後に期限と確認日を付けます。相手が読んでも同じ約束になるかを考えると、締め方の不足が見つけやすくなります。

面談全体の流れは部下面談の練習、終了時の観点は部下面談のコツで確認できます。